夕方、靴がきつい。朝はすんなり履けたのに。

『デスクに座りっぱなしの日ほど、帰りに脚がパンパン』『冷房の中にいると、夏でも足先が冷たい』。南青山・表参道で働いている方、お店に立っている方から、問診でよく伺う言葉です。この記事では、むくみと冷えの仕組み、「夕方の脚の体積はどのくらい増えるのか」を測った研究、先に医療機関で確認したいサイン、そしてHALII TOKYO.整体院 南青山店でできることを書きます。

株式会社COmedi 代表取締役 久保聖史

SUPERVISOR / この記事の監修者

久保 聖史

株式会社COmedi 代表取締役

資格柔道整復師

  • Asia Massage Championship2024 審査員
  • Massage World Championship2025 審査員
  • Asia Massage Championship2026 審査員

夕方のむくみには、重力が関わることも

玄関に置かれたパンプスとソックス

むくみは、血管から染み出した水分が、回収されずに皮膚の下にたまった状態です。脚に出やすいのは、心臓から遠く、重力で水分が下にたまりやすいから。ふくらはぎの筋肉が動くと、血液を心臓へ押し戻すポンプの役目をしますが、座りっぱなし、立ちっぱなしだと、このポンプを働かせる機会が減ります。

夕方の脚のむくみには、座っていた・立っていた時間が関わることがあります。ただし、夕方だから病気ではない、とは判断できません。MSDマニュアルの家庭向けの解説でも、正常でも一日の終わりに脚に血液がたまって軽いむくみが出ることがあり、通常は朝には消えている、とされています。

逆に言うと、「朝になっても引かない」「片脚だけ」「急に」のむくみは、別の話。これはあとで書きます。

研究の数字:7時間後の下腿の体積はどう変わった?

「夕方の脚の体積がどのくらい増えるか」を、実際に測った研究があります。

オーストリアの研究チームが、ボランティア12人の両脚の下腿(ひざ下)の体積を、朝と7時間後に測りました。夕方のむくみを、体積の変化で調べたものです。何もはかない状態では、平均で左脚62.4mL、右脚94.4mL増えていました。これは下腿全体の体積の差で、水分量や重さを直接測った数字ではありません。

同じ研究で、着圧の靴下(ひざ下)をはくと、この増加が抑えられました。軽い支持靴下で40.3mLまで減り、圧迫条件によっては夕方の体積が朝より減っていました。著者は、11〜21mmHgのひざ下の着圧靴下が、長時間座る・立つ仕事に伴う夕方のむくみを減らせると結論づけています。

ただし12人・4日間の小さな研究で、誰でも同じ量だけむくむとは言えません。着圧の靴下は、持病のある方は医師に確認してから。この研究の数字は、夕方の靴のきつさに関わる体積の変化を、具体的にしてくれます。

寒いときの冷えと、身体の熱を守る働き

ソファの毛布と靴下、傍らのマグカップ

むくみとセットで相談されることが多いのが、足先の冷えです。

身体は、内臓の温度を37℃前後に保とうとします。寒いとき、冷房の中にいるときは、血管を縮めて血液を身体の中心に集め、中心の温度を守ります。そのぶん手足の先には血液が届きにくくなる。これは寒さに対する体温調節の仕組みの一つです。夏の冷房もきっかけになりますが、足先の冷たさをすべて冷房だけで説明できるわけではありません。

ボクが南青山店で見ている限り、秋口から冬にかけては、むくみだけ、冷えだけ、という方のほうが少ない印象です(これは印象で、数字ではありません)。

小さな研究ですが、以前のコラムでも触れた「靴下をはいて寝る」試験(韓国の若い男性6人)では、靴下ありの夜のほうが寝つくまでの時間が平均7.5分短く、足の皮膚温も高く保たれていました。室温23℃で7時間の睡眠を調べ、睡眠は手首の活動量計から推定しています。足先を温めることと眠りの関係は、こういう形で調べられています。6人なので「靴下で眠れる」とは言えませんが、冷えで寝つけない夜の、試すコストの低い選択肢ではあります。

整体の前に、医療機関で確認したいむくみ

むくみのなかには、整体の対象ではなく、医療機関で原因を確かめる必要があるものがあります。MSDマニュアルが「警戒すべき徴候」として挙げているのは、次の5つです。

  • 突然むくんだ
  • 片側の脚だけがむくんでいる
  • はっきりした痛みや、押すと痛い
  • 息切れがある
  • せきとともに血が出る

一つでも当てはまれば、直ちに医師の診察を受けるよう書かれています。片脚だけが急に腫れて痛む場合は、静脈に血のかたまりができる病気(深部静脈血栓症)の可能性があり、これは整体で様子を見てよいものではありません。また、心臓・肺・腎臓の病気がある方や妊娠中の方は、警戒すべき徴候がなくても、むくみが出たら直ちに受診するよう勧められています。

「朝になっても引かない」むくみは、静脈の弁の問題や、肝臓・腎臓の病気が隠れていることがあります。夕方だけのむくみとは区別して、内科で確認してください。警戒すべき徴候がなくても、原因が分からないむくみはできるだけ早く受診の予約を取ってください。

南青山店でできること

HALII TOKYO.整体院 南青山店は、「表参道駅」A5出口から徒歩7分。営業時間は10:00〜20:00、定休日はありません。駐車場はないので、お車の方は近隣のパーキングをご利用ください。

むくみ・冷えのご相談では、初回の問診と検査で、脚だけでなく全身の動きや、座り方・立ち方など身体の使い方を確認します。医療機関での確認が必要な場合は受診を優先し、施術で対応できる範囲を確かめたうえで、身体の状態を説明しながら施術を進め、施術後にもう一度検査をして変化を見ます。

あわせて、食事の面からも相談できます。むくみや冷えは、水分やミネラル、タンパク質の取り方とも無関係ではないので、院の栄養指導で普段の食事を一緒に見直すこともできます。

受診が必要なサインがなく、運動を制限されていない方は、座りっぱなし・立ちっぱなしの合間に、痛みなくできる範囲でかかとを数回上げ下げするなど、脚を動かす時間を作ってみてください。痛みやむくみの悪化があれば中止して、受診を優先してください。

参考文献

  • Partsch H, et al. Compression stockings reduce occupational leg swelling. Dermatologic Surgery. 2004;30(5):737-743. PubMed(研究抄録)
  • MSDマニュアル家庭版「腫れ(浮腫)」(最終改訂2024年8月) MSDマニュアル家庭版
  • Ko Y, Lee JY. Effects of feet warming using bed socks on sleep quality and thermoregulatory responses in a cool environment. Journal of Physiological Anthropology. 2018;37:13. PubMed(研究抄録)